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こんにちは。ナチュラル&スローな家「ナチュリエ」のスタッフです。
揺れる炎やパチパチとした音で癒される薪ストーブ。
家に薪ストーブを設置するなら、設置場所はどこが良いのでしょうか?
今回のコラムでは、薪ストーブはどの部屋に設置すべきか、部屋のどこに設置すべきかについてお話しします。
熱効率の良い薪ストーブの設置場所や、設置する際の注意点もあわせてお伝えします。
新築で薪ストーブを設置するならどの部屋が良い?
薪ストーブの魅力といえば、やはり揺らめく炎を眺めるリラックスタイム。
暖かさはもちろん、炎やその音を感じながらのんびりとした時間を過ごすのが薪ストーブの醍醐味(だいごみ)です。
となると、やはり一日の中で長い時間を過ごすリビングに設置するのがおすすめ。
薪ストーブの柔らかな暖かさに包まれて過ごす時間は至福のひとときです。
リビングに設置すれば、お気に入りの薪ストーブがいつも間近に感じられるのも良いでしょう。
薪ストーブの設置場所として、もう一つの選択肢は北側の部屋です。
太陽の光が当たりにくい北側の部屋からは、冷気が流れてきます。
北側の部屋に薪ストーブを設置すれば、部屋の冷たい空気が丸ごと暖められ、冷気が家中を循環するのをシャットアウト。
暖かい空気の循環を促し、室内をまんべんなく暖かくしてくれます。
薪ストーブの魅力やすてきなライフスタイルはこちらのコラムでも詳しくご紹介しています
「薪ストーブのある暮らし」を楽しもう!知っておきたい基本や魅力
薪ストーブの熱効率の良い設置場所は?メリット・デメリットも紹介
どの部屋に薪ストーブを置くのか決まったら、次に部屋のどこに置くのかを決めましょう。
設置場所は大きく分けて、部屋の中央・壁側・角の3カ所がありますので、熱効率の良い順番に解説します。
熱効率から考える薪ストーブの設置場所
①部屋の中央
薪ストーブは炎を中心に360°熱が広がるので、部屋の中央に置くのが一番熱効率の良い設置場所です。
薪ストーブの周りに熱を遮るものがないほど熱効率が高く、部屋のどこにいても暖かさを感じることができるでしょう。
ただし、部屋の真ん中に薪ストーブがあっては、ジャマになってしまうのがデメリット。
生活導線を寸断して不便になったり、部屋が狭く使い勝手が悪くなったりしてしまう可能性もあります。
②部屋の壁側
壁を背にして設置するパターンもあります。
背面の熱は壁で遮られますが、前面・側面から熱が広がり部屋を暖めます。
壁の中央付近に設置することで、熱効率を少しでも良くすることができますよ。
部屋の中央に置くよりは熱効率が下がりますが、生活の中で薪ストーブがジャマになることもありません。
③部屋の角
部屋の角に設置すると、左右の壁で熱が遮断されてしまうので、3つの中では一番熱効率が落ちてしまいます。
ただし、薪ストーブが一番ジャマになりにくく、部屋の空間を一番効率的に使える設置場所でもあります。
薪ストーブの正面を部屋の中心に向けることで、熱効率を少しでも良くすることができますよ。
薪ストーブの設置場所は煙突の場所によって決まる
薪ストーブの設置場所を考えるとき、間取りと同じくらい大切なのは煙突の設置場所です。
煙突は煙を屋外に排出する役割のほかに、煙突内部にドラフト(上昇気流)を起こしてそれにより薪ストーブへ新鮮な空気を取り入れる役割も持っています。
煙突はできるだけ真っすぐ立ち上げ、そして屋根の一番高いところにつながるように設置するのがおすすめです。
煙突を真っすぐ伸ばして、屋根を突き破って設ける形を「屋根出し」といいます。
煙突が真っすぐだと、ドラフト効率が良いため燃焼効率もよく、すすなどがたまりにくいのでメンテナンスもしやすいポイント。
しかし、たとえば1階に薪ストーブを設置して煙突を「屋根出し」にするなら、煙突が2階の空間を通ることになり、ジャマになってしまうこともあります。
その場合は「壁出し」という方法もあります。
煙突を横に伸ばして壁から屋外に出し、そこから上に立ち上げる設置方法です。
これなら煙突が2階を通らなくて済み、ジャマになることはありません。
ただし、ドラフトの効率は屋根出しより劣り、曲がっている部分にすすなどがたまりやすいというデメリットもあります。
どこにどう煙突を設置するのか、設置できるのかによっても、薪ストーブの場所が決まってきます。
吹き抜けの部屋では薪ストーブはどこに置く?
吹き抜けの部屋に薪ストーブを置く場合は、天井のない部分に置く・天井のある部分に置くという2つの選択肢があります。
天井のある部分に置く
吹き抜けのある部屋に薪ストーブを置く場合、燃焼効率を考えるなら吹き抜けの下を避けて天井がある部分に設置するのがおすすめです。
薪ストーブの熱が天井にあたって循環しながら、効率的に部屋を暖めてくれますよ。
ただし、煙突を屋根出しで設置するなら、天井を貫通して2階の空間に煙突が通りジャマになったり、工事費用が高くなったりといったデメリットがあります。
天井のない部分に置く
天井のない部分に薪ストーブをおくと、暖かい空気が吹き抜けから2階へ流れ、熱効率が悪くなってしまいます。
そのため、天井のない部分に薪ストーブを置く場合は、シーリングファンを設置するなど、暖気を循環させる工夫が必要です。
ただし、煙突を屋根出しにするとしてもそのまま屋根まで立ち上げることができるので、設置費用や工事にかかる期間などは抑えられるでしょう。
薪ストーブを設置する際に気をつけることは?
薪ストーブの設置で、一番注意しなくてはいけないのは火災を起こさないことです。
薪ストーブの近くに燃えやすいものを置かないのはもちろん、「低温炭化」による火災にも注意が必要です。
低温炭化とは、薪ストーブの周りの木材(床材や壁など)が薪ストーブの熱に長時間さらされていることで炭化してしまうことです。
炭化が進むと発火点が下がり、通常では起こり得ない温度で急に発火してしまう可能性があります。
これを防ぐため、薪ストーブを設置する際には周囲に熱を伝えないための炉台(ろだい)や炉壁(ろへき)が不可欠です。
- 炉台(ろだい):薪ストーブの下に敷く台
- 炉壁(ろへき):薪ストーブを壁側や角に設置する際に、薪ストーブと壁の間に設置する遮熱壁
薪ストーブは設置すると基本的に移動はできません。
そういったこともよく考えたうえで、設置場所を検討しましょう。
まとめ
●薪ストーブの設置場所を検討する際は、家族が集まってのんびりした時間を過ごすリビングに設置する、北側の部屋に設置して家に入ってくる冷気をシャットアウトするといった考え方があります。
●熱効率を考えるなら一番良いのは部屋の中心に置くことです。生活動線に影響を与えないようにするなら、壁側や角に置く方法もあります。なお、煙突をどこに設置できるかによっても設置場所が限られるため、煙突の設置場所についても合わせて検討する必要があるでしょう。吹き抜けの場合は、天井がある部分に設置する方が熱効率は良くなります。
●薪ストーブを設置する際は火災に要注意。低温炭化による火災を引き起こさないためにも、炉台や炉壁を用意しましょう。火災対策などにも注意しながら、薪ストーブのある生活をぜひ楽しんでくださいね。
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