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こんにちは。ナチュラル&スローな家「ナチュリエ」のスタッフです。
安くて加工が簡単な木材として人気が高いSPF材。
サイズが揃っていて身近で入手できるため、SPF材の名前を知らない人でも1度は使ったことがあるかもしれませんね。
今回はSPF材の特徴や、DIYで使うメリット・デメリットを解説。
SPF材を選ぶポイントやDIYでの活用方法も、あわせてご紹介します。
SPF材とは?DIYで使うメリット・デメリットも解説
SPF材とは、北米産の3種類の常緑針葉樹の頭文字から名づけられた木材。
3種類の針葉樹とは「トウヒ/Spruce(スプルース)」「松/Pine(パイン)」「もみの木/Fir(ファー)」です。
木材の種類としては、丸太から切り出した自然な状態の「無垢材」に該当します。
SPF材はその中でも、クセのない自然な色合いが特徴。
天然の木目の美しさや木の温かみを味わうことができ、接着剤を使っていないため化学物質によるリスクがありません。
無垢材の一般的な特徴として注意したいのは、湿度の変化で収縮したり膨張したりと、反りやねじれなど変形が起こりやすいことです。
SPF材は木材に含まれる空気の層が多いので、密度が低く、軽量で柔らかい特徴があります。
SPF材を使うメリットとは?
SPF材には、次のようなメリットがあります。
- 簡単に手に入れられる
- 加工がしやすい
- 研磨の手間がない
簡単に手に入れられる
SPF材の名前の由来である針葉樹には、成長が早く大量生産しやすいという特徴があります。
安定した供給ができるため、無垢材の中でも安価です。
購入可能な場所は、木材を取り扱うホームセンターやDIYショップ、インターネット通販など。
「つい失敗してしまった」「材料が足りない」といったとき、気軽に調達できるのは嬉しいポイントですね。
加工がしやすい
SPF材の柔らかい性質には、加工しやすいというメリットも。
釘を打ったり、のこぎりで切断したり、力がいる作業も比較的スムーズに進むでしょう。
軽量な面も手伝い、組み立て時の負担が少なく、DIY初心者には特に使いやすい木材です。
研磨の手間がない
一般的に流通しているSPF材は、あらかじめ表面に研磨が施されています。
滑らかにプレーナー加工(カンナがけ)で整えてあるので、「塗装要らず」で自然の風合いが楽しめます。
角も面取り(とがった角を落とす)されているため、すぐにDIYに取り掛かれますよ。
SPF材を使うデメリットとは?
続いては、デメリットとなる特徴を紹介。
SPF材の取り扱いでは、次のような点に注意が必要です。
- 傷つきやすい
- 虫の被害にあいやすい
傷つきやすい
SPF材の柔らかさは、メリットであると同時に傷つきやすいというデメリットでもあります。
不意に地面に落としたり、工具が当たったりすると凹みや傷となる可能性も。
密度が低いため、釘やビスを打つと割れやすいという欠点もあります。
また、塗料を吸い込みやすい反面、ムラになる可能性もあり注意が必要です。
虫の被害にあいやすい
虫は柔らかい木を好むため、シロアリなど虫の被害が懸念されます。
虫に食われると腐りやすいので、仕上げに屋外用の塗料を使うのがおすすめです。
耐水性が高くないので、外での利用を考える場合は表面を塗装しましょう。
防虫防腐処理加工のものも市販されているので、用途に合わせて選ぶことが大切です。
SPF材のメリットは、見方を変えればデメリットにもなり得ます。
特徴を押さえ、作りたいものに合わせて使うと良いでしょう。
SPF材はサイズの種類がある!
SPF材にはサイズの種類があり、一般的に販売規格が決まっています。
厚みと幅はインチ、長さはフィートでの表記です。
SPF材の規格の厚み・幅
SPF材の厚みが19mmのものを「ワンバイ材」、38mmでは「ツーバイ材」と呼びます。
ワンバイ材は「1×〇」、ツーバイ材は「2×〇」と表記し(〇は幅を示す数字が入る)、1×3材(ワンバイスリー材)を例に挙げると、厚みが1インチで幅は3インチとなります。
1インチは25.4mmなのですが、木材が乾燥で縮むため、SPF材においては19mmが規格のサイズです。
ツーバイ材も同じく誤差があるため、インチでの換算とSPF材の規格は異なることを覚えておいてくださいね。
SPF材の長さの表し方
長さはフィートで表記します。
1フィートは304.8mmで換算でき、乾燥による収縮に誤差はほとんどありません。
SPF材の規格サイズ一覧
SPF材の規格サイズの「表記」と「厚み×幅」は次の通りです。
【ワンバイ材(厚み19mm)のサイズ】
- 1×1=19×19mm
- 1×2=19×38mm
- 1×3=19×63mm
- 1×4=19×89mm
- 1×6=19×140mm
- 1×8=19×184mm
- 1×10=19×235mm
【ツーバイ材(厚み38mm幅)のサイズ】
- 2×2=38×38mm
- 2×3=38×63mm
- 2×4=38×89mm
- 2×6=38×140mm
- 2×8=38×184mm
- 2×10=38×235mm
SPF材を選ぶポイント、DIYでの活用方法もチェック
SPF材の欠点は、湿度の変化によって収縮・膨張し、変形しやすいこと。
購入する際には、ホームセンターなどの店舗に実際に足を運び、できるだけ状態の良いものを選ぶ必要があります。
選び方のポイントは次の4つです。
- 反ったり曲がったりしていないか
- ヤニ(樹液)が出ていないか
- 節や傷がないか
- ひび割れや凹みはないか
DIYでの活用方法と合わせてご紹介していきましょう。
SPF材を選ぶポイント
反ったり曲がったりしていないか
反りや曲がりは作品のがたつきの原因になるため、DIYで一番気を付けたいポイント。
目視でわかりにくい場合は、壁や床など平面において、部分的に浮いていないか確認しましょう。
ヤニ(樹液)が出ていないか
ヤニは見た目の悪さはもちろん、カビの原因となります。
また、ヤニツボ(ヤニが溜まった部分)は気温が上がるとべたつき、塗料が塗りにくい特徴もあります。
節や傷がないか
大きな節、傷があるものは避けたほうが無難です。
丸い節の外側が黒くなっている場合、時間が経つと抜け落ちて、強度にも影響します。
黒くない場合も、節の部分が硬いので加工をしづらいです。
ひび割れや凹みはないか
ひび割れがあると釘打ちで木材が割れ、凹みがあれば塗料が塗りづらく色ムラの可能性も。
材料の買い直しや、仕上げに手間がかかるデメリットがあります。
また、4つのポイントに比べると判断が難しいですが、強度を見分けるには「樹齢」もポイントです。
樹齢を重ねた木は年輪の幅が狭くなり、繊維がぎゅっと押し込まれた状態。
年輪が細かいもの=比較的強度が高いと言えるでしょう。
DIYでのSPF材の活用方法は?
SPF材は手軽に入手できるため、DIYに最適な木材です。
厚みの少ないワンバイ材は比較的小規模な家具や小物雑貨向け。
ツーバイ材はある程度丈夫さがほしい、大きめの家具作りに向いています。
机の天板など幅が広い部品が必要なときは、何枚かを横に接いで対応できます。
強度を足したい場合は補強用の金具を使ったり、雨に濡れるウッドデッキならば屋外用塗料を塗ったりするのも◎。
アイデア次第で、椅子やテーブル、ウォールラック、子どものおもちゃなど幅広い作品を制作可能です。
SPF材以外にDIYでおすすめの木材は?
安価で使いやすいSPF材の他にも、DIYに使える木材は豊富です。
なかでも初心者向けで手に入りやすい種類は、次の3つです。
- 集成材
- 合板
- 杉材
それぞれ簡単な特徴を説明していきます。
集成材
集成材とは、木目の綺麗な部分を接着剤で組み合わせたもの。
そのため、質や強度の偏りが少なく、無垢材のような1枚板よりも反りや割れが出にくいメリットがあります。
合板
合板とは、ベニヤ板と呼ばれる薄い板を何層にも張り合わせたものです。
一般的には910mm×1820mmの大きさ。
安価で販売され、作業台の天板など大きさを活かしたいシーンで活躍します。
杉材
杉材は、木目がわかりやすく、赤みが強いのが特徴的。
木質は柔らかめで加工しやすく、DIY人気の高い木材です。
DIYの楽しみの幅も広がるので、ぜひ用途に応じて使い分けてみてくださいね。
DIYにおすすめの木材については、こちらのコラムで詳しく紹介しています。
DIYにおすすめの木材とは?木材の選び方や種類もご紹介
まとめ
●SPF材とは、3種類の北米産針葉樹、スプルース、パイン、ファーの頭文字から名づけられた木材で、特徴は自然な色合い・軽量で柔らかいこと。簡単に入手でき、加工がしやすいといったDIY初心者向きのメリットが多い木材です。反面、傷つきやすく、虫の被害にあいやすいことがデメリット。屋外利用の作品には、防腐処理が必要です。
●SPF材には規格サイズがあり、厚みによって「ワンバイ材」「ツーバイ材」と呼ばれます。厚みと幅の規格は、実際のインチ表示と誤差があるのでご注意を。
●購入の際には目視で確認し、状態が良いものを選びましょう。反りや曲がり、割れは作品に悪影響を及ぼします。
●SPF材以外にも、集成材や合板、杉材など、DIY初心者の方におすすめの木材がいろいろとあります。それぞれの特徴を押さえ、作りたいものに合った木材をセレクトしてみてくださいね。
全国に店舗があるナチュリエは、木の家でのていねいな暮らしや自然素材の家を提案するハウスメーカーです。
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